風力発電向けシステムソリューション
風力発電は次世代のエネルギー資源としてとても重要な役割を担っていることで注目されています。その新しいシステムのソリューションには高い生産性と可用性が求められています。
風力発電システムは次世代のエネルギー資源としてワールドワイドで活躍する様々な企業から注目されています。これには、エネルギー供給を再生可能な資源に切り替えたいという政府の意向も大きく関与しています。そのため、大型のプロジェクトを実現できる実力をもつ企業が、市場に参加することが求められ、数年のうちには、世界中で2桁の成長率が予測されています。
ハーティングは長年にわたり、風力発電事業のビジネスパートナーであり、製造業者および協力会社と緊密に協力し合って革新的なシステムソリューションを開発してきました。ハーティングのすべてのシステムは、電力発電産業の、動作環境温度-40℃~+80℃に耐えるという高い要求を満たすことができます。機械的にも、そしてまた電気的にも高い安全性を誇り、回転、振動また衝突に対しても強固です。最近の例として、スリップリング用のプラグイン結合とリチウムイオンバッテリーをベースにしたバックアップバッテリーの開発をあげることができます。
パート1 スリップリング用のプラグイン
風力発電機では、定期的に交換されるコンポーネントとしてスリップリングがありますが、これはハブ(回転)とナセル(静止)の間のインターフェイスを形成しています。
新しいプラグイン結合により、スリップリングの交換が容易になり、また停止時間を短縮することができます。メンテナンス作業では、ピッチシステムに介入することなく、また接続ケーブルを取り外すこともなく、スリップリングを交換することができます。特殊な工具も必要としません。結合処理では、2つの真ちゅうブッシュ2本にある頑丈なステンレスボルトをガイドとします。そのあと、フロートベアリングのHan®ドッキングフレームとHan-Modular®アーティキュレートフレームが、正確な電気コンタクトの位置決めをし、確実な稼動を可能にします。
ハーティングのスリップリング結合は、電気的なインターフェイスのほか、断熱層を内蔵しており、油地温度が上昇した場合に保護ができるように追加機能をもっています。またすでに設置されている装置にも、簡単にこのスリップリング結合が実現、設備のアップグレードが可能です。
スリップリング結合のパーツAとB(図1)の間にあるインターフェイスは、防水加工をしておりIP 65保護等級に準拠しています。ハウジングの製造は、特殊な永久鋳型アルミニウムです。
ピッチシステムの制御信号をハブに伝送する電気的インターフェイスは、Han-Modularコンタクトアタッチメントをベースにしています。それにより、100 Aモジュールで三相交流電圧供給、Han®-Quintax を備えた4ワイヤバスを2個(CANバスから高速イーサネットまでなど)、そして24制御信号を保証します。また制御信号は、Han® DDDモジュールにより、34ピン出力に拡張が可能です。
プラグイン結合は、適切な長さに調節されたケーブルアッセンブリを含む、トータルソリューションとして納品します。両方のコンポーネントは、別々に製造され検査されます。パーツAは、風力発電機に実装されるもので、パーツB は、まずスリップリングと接続します。Plug&Playコンセプトの威力は、建設現場で発揮されます。始動のさい、両方のパーツをつなぐだけですむので、現場での手間のかかる設置やアッセンブリ作業は必要がなくなります。
同じことが、メンテナンス作業にも当てはまります。4本のネジをはずすと、スリップリングを取り外せるので、そこで新しいスリップリングを実装します。風力発電機は、たいした停止時間もなく、再び電源につなぐことができます。取り外したスリップリングの加工作業は、ゆっくりと工場でおこなうことができます。
コンセプトを練る段階からすでに、設計を最適化するために各シミュレーションを実施しました。そのさい、実際にコンポーネントのプロトタイプを利用して、通電容量の試験や、振動のある状態や安定した状態におき検査しました。プラグイン結合では、まず構造をエレメント分析システムにより最適化、そして再び検証を行いました。
まず150 kgの重さをスリップリングの末端にかけて、さまざまな負荷予測手法でシミュレーションを行いました(図2)。始動とメンテナンスには負荷がかかることから、すべての構造を堅牢に設計しました。認定を受けているハーティング試験所で、シミュレーションの値を初回サンプルを使い、機械的な負荷をかけて検査しました。そのさい、実測値が理論値を上回っていることが、確認されています。
パート2:バックアップバッテリー「最悪の場合」用のリチウム
同時に2つの悪条件が運悪くぶつかった結果、例えば、嵐と同時に停電となった場合に、ピッチシステムの「非常作動」を可能とするような風力発電機のエネルギーのバックアップにおいて、さらに工夫できる点があります。そういった非常時には、風力発電機は、瞬時に停止しなくてはなりません。発電機のブレードは、そのような極端な場合、数秒以内に風から向きを変えられます。この機能が非常に重要なのは、ピッチシステムの故障が、風力発電機の全損を招いてしまう可能性があるためです。
ピッチシステムのすべての軸は、非常事態には、ニュートラル位置まで回転します。通常は、風力発電機、一機につき、3つのバックアップバッテリーを必要とします。モジュラー構造のため、バックアップバッテリーは簡単に交換することができます。
コンパクトな設計と、長期間メンテナンスを必要としない製品寿命という要求は、例えば、従来の鉛酸バッテリーといったものでは、完全に満たすことは難しいかもしれません。しかし、ハーティングのバックアップバッテリーは、リチウムイオン・バッテリーセルが装備されており、またコンパクトな設計のため、回転や振動に影響を受けません。
堅牢で、塗装を施した鋼鉄プレート製ハウジングは、機械的にも、また熱による影響からも保護し、欠かすことのできない接触防止の機能も果たしています。総内部抵抗は、RI < 24mOhmまで低減されました。
バックアップバッテリーは定格電圧86.4 Vで180 Aを通電しますが、そのほかの電圧と電流もこのコンセプトで可能です。BMS(バッテリーマネジメントシステム)により監視され、順に切り替わる24のリチウムイオン・バッテリーセルで常に準備ができています。低コンタクト抵抗を備えた高電流スイッチが、始動準備の完了しているピッチ制御へのコントロールされた入力を保証します。
中央制御部との通信は、CANバス(D-Sub 9ピン)により行います。監視とコンフィグレーション用には、別のインターフェイスが用意されています。BMSの状態は、RS232ポート(D-Sub 9ピン)を通じて、いつでもチェックすることができ、ハイパーターミナル機能により、それぞれのバッテリーの状態の情報を得ることができます。
それぞれのバッテリーの充電状態の冗長性監視は、Han® 3 Aインターフェイスを通じて行います。2目のHan® 3 Aコネクタは、必要な稼動電圧である24 Vの供給に使われます。
開発にともなう各検査において、振動とショックのさいのコンタクト抵抗に特に重点をおき実施されました。目標は、極端に厳しい使用条件下で、ケーブル断面と接触部を最適化することでした。これにより、現在の最適化された設計となりました。
考慮されたのは、以下の規格です。
* 振動検査DIN EN 60 068-2-6
* ショック検査DIN EN 60 068-2-27
* 連続ショックDIN EN 60 068-2-29
* 製品寿命シミュレーションDIN EN 61 373

